トップページ > 空気と暮らしの研究所 > ヒートショック意識調査
「ヒートショック」とは、温度の変化のために血圧が急激に上下することで、心臓や脳の血管がダメージを受け、脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞といった発作を起こすことです。日本では、ご高齢の方が家庭内で亡くなる原因の4分の1をこの「ヒートショック」が占め、国内で「ヒートショック」で亡くなる方は年間1万人を超えると推計されていることから、近年、注目が高まっています。
家の中で「ヒートショック」が起こりやすい場所は、浴室、脱衣所(洗面所)、トイレなど。真冬など、暖房をしている居間と、まったく暖房していない廊下・トイレとの間の温度差は、10度を超えるといわれています。実際に日本では、入浴中のでき死が世界的に見ても高率で発生しています。75歳以上では欧米の10倍にも達するそうです。とくに血圧の高い方に入浴中の事故が多くなっています。
冬場でも浴室・洗面所を20°C以上に、風呂の湯の温度を40°C以下に設定すると、ほとんど血圧には変化が起こらないとされています。そこで「ヒートショック」の抑止に活躍するのが、家の中に温度差をつくらない「全館空調システム」。全室暖房による室内の温度差の少ない住宅が「ヒートショック」を防ぎ、1年を通じて温度差による負担を身体にかけません。
アズビル( 株) は、2012年1月、全国の30~69歳の男女1061人を対象に、「ヒートショックに関する意識調査」をインターネットで実施しました。その結果、ヒートショック死にもっとも注意すべき高齢層の男性の過半数が、浴室での「ヒートショック」に関して何らの対策もとっていないことが明らかになりました。
当社が「ヒートショック(現象)」の意味を知っているかを尋ねたところ、「よく知っている」「大体知っている」「なんとなく知っている」を併せて全体の41.6% が知っていましたが、高齢層の認知率は全体よりも低く、60代男性で知っていたのは35.4%、60代女性では33.6%でした。
次に、「ヒートショック」に対して「浴室・脱衣場に暖房器具を設置した」「お湯の温度を上げすぎない」など何らかの対策をとっている人は全体の46.3% で、「とくに予防策をとっていない」人は53.7% でした。
年齢別に見ると、50代男性の61.1%、60代男性の54.3% が予防策をとっていませんでした。
「ヒートショック」予防策を実行している人の中でもっとも多かった予防策は、「浴室・脱衣場に暖房器具を設置した」(18.1%)でした。
また、当社などが製造・提供している「全館空調システム」(1台の空調機で家全体を冷暖房するシステム)の機能について、「(家の中で温度差ができないので)ヒートショックを防げる」と正しいイメージを持っていた人は26.9%にとどまりました。
その一方で、家の中の空気と温度について不満や心配なことを尋ねたところ、全体の42.0%が「浴室・洗面所・廊下・玄関が寒い」ことを挙げました。